第    5    回

                                   須 永  慶



《テレビドラマの改編と放送と視聴率》


ご存じの通り幾つかの例外を除いては、

毎年春と秋には殆どのテレビドラマが入れ替わります。

入れ替わると言うより

ほんの少しの時間的経過〈二時間ドラマや特番の放送〉があってから、

新しく放送が開始されると言った方がいいかも知れません。



放送期間中、

三十パーセントを超える驚異的な視聴率を取る番組でも

放送終了の時期は予定通りで、殆ど変わりません。



ところが、当初の見込みがはずれて視聴率がみるみるうちに下がり、

十パーセントを切って遂には七パーセントとか六パーセントとかになってしまうと、

早い場合は三話か四話目でもう上層部は打ち切りを決定してしまう場合もあります。



番組は殆どワンクール約三ヶ月間の放送で、

 十一話か十二話で放送終了予定ですが、

最近は何故か十一話の二時間放送で終わりとする番組が多いようです。




以前、

私が出た番組で視聴率の話になり、その番組の数字があまりに悪いので

「九話で打ち切り」と言うことが既に決定していました。

私が出た話数は確か六話でしたから改めてその時、

芸能界の厳しい一面を肌で感じたものです。

衣装さんが小声でそっと教えてくれたのですが、

そう言われてみれば気のせいかスタッフや出演者も何となく元気がなく、

「あー、聞かなければ良かったなー」とも思いましたが時既に遅く、

私がここで気を付けたことは

「この番組が低視聴率番組だと言うことを自分は知っている」ということを

何とか皆さんに悟られないように振る舞うことでした。



実はその時演出家だけが異常に張り切っていたので、

ちょっと気になって仕方なかったんですが、

残念ながら「張り切り」の理由は勿論今でも分かりません。



ま、兎に角こう言う「番組打ち切り」ということは結構あるのではないかと思います。
 

今はもう十一月に入っていますから各番組も丁度真ん中辺で内容も

それなりにぐんぐん面白くなってきている筈です。



さて、


私の出ている幾つかの番組は話の内容や視聴率等でどうなっているのでしょうか・・・。


今期は全て準レギュラーの役で出演しているんですが、TBS「オヤジい。」の教頭。

八月の中旬には話があった日本テレビ「新宿暴走救急隊」の岡崎。

同じくTBSの「真夏のメリークリスマス」の的場弁護士というところです。



準レギュラーというのは或る意味ではほんとに大変で、

次、何話で出てくるのか直前にならないとはっきりせず、

従ってスケジュールは押さえられてしまうんですが

それが流れた時は泣きが入ってしまいます。

結果的に何も仕事をしていないことになってしまうのですから・・・。


この原稿を書いている時(十月七日)も事務所から電話が入り、

「オヤジい。」の八話は結構出てるらしいとか、

「新宿暴走救急隊」の七話は没で代わりに六話で出てくると言っているとか、

台本の上がりが何時か分からないとか、

日程の調整がなかなか付かないとか、

悲鳴に近い舞台裏の関係者の声が聞こえてくるような状態でした。


何しろそれぞれのレギュラー陣は皆さん超売れっ子の人達ばかりなんですから・・・

そして私は三本ともその皆さんに合わせなければいけないのですから・・・。
 


それでも明日は「真夏のメリークリスマス」の本番だぞ!