第11回


                 
2001.05.25           第 11 回           須 永  慶
                                                              

    【   良   い   写   真  】 



 俳優やモデル、そして勿論歌手や、今ではラジオのアナウンサー迄も、
所謂「宣材」用の《写真》は昔に比べて必要です。
勿論宣材は《写真》だけではありません。

アイドルとなってしまった人とは別に、純粋な?
声優やマイクを主に使う仕事に携わっている、
所謂「声」関係の人の場合は、俗に言うデモテープ
・・・これが重要な「宣材」となるものです。

このように宣材(宣伝材料)と呼ばれる物は色々ありますが、今回は《写真》について。
 

マスコミで働いている人にとってこれは本当に大切な、
時として仕事が取れるかどうかの重要な判断材料ともなるものです。
特に新人の若い女優さんなんかの場合、これはもう言うまでもありません。
 
又、 『宣材』に関してマスコミに働く全てのジャンルの人に共通して言えることは、
「宣材」は簡潔且つ正確であって、効果的にその人のイメージが、
例えばプロデューサーやクライアントに伝えられるものでないと駄目でしょう。

修正したもの、これは論外です!

昔はよくプロのカメラマンが撮り、
それに少し手を加えて修正したものを宣材写真として使ったこともあると聞いていますが、
そういう写真がもし御本人とは似ても似つかない物だったら、一寸まずいですね。

これ、一種の詐欺・・ですよ・ネ。



 さて僕の場合、

最近所属事務所を(有)気楽星(キラボシ)というところに替わった為に
その時急いで撮った写真で今迄やってきましたが、
ここへ来て新しく事務所に入ってきた俳優さんが可成りの数に上ってしまい、
改めて宣材用の写真を撮ろうということになりました。

この場合の写真は所謂パンフレットに載せるためのものです。
事務所のインターネットに載せる必要もありますが・・・。

ここで大事なことは、私が制作サイドの人に或る程度知られているとはいっても、

「オッ!須永さん、渋くて良くなったねえ・・・!」

と言われる位、インパクトのある良い写真を撮りたい
・・・・という気持を強く持っているということです。
こういう場合、殆どの俳優さんはそう思っているんじゃないかと思います。

 写真を撮る一つの考え方として、
カメラマンと交流を持ち、俳優としての「私」の人間性から、考え方、性格、
演技する事への意識の持ち方等々
様々な部分を知って貰い、一日中行動を共にして、
自然でベストの瞬間を撮って貰うこと。
この考え方はあると思います。


 聞いた話ですが、
私の俳優座養成所の先輩に当たる俳優さんが、時代劇のスタジオ撮影が終わり、
カツラを取ってホッとしたその瞬間の顔のショットが
実に良かったという話を聞いたことがあります。
羽二重が頭に乗った、少し汗もかいている「顔」・・・というわけです。


 もうひとつの方法・・・

殆どの場合これが一般的だと思うんですが、ライティング等の設備が完備されたスタジオで、
宣材写真としてきちんと計画計算された〈或る狙い〉を
カメラマンと俳優その他のスタッフがはっきり意識して撮る方法です。



 今回私の撮影方法はこれでした。

しかしこれは皆さんもお分かりのように長所も勿論ありますが、
時として欠点になってしまうことが有るんです。

先ず、表情がどうしても硬くなる。
生き生きとした表情が撮れたと思ってもよく見ると作り笑顔がばれてしまう。
等々沢山あります。



 さて、

出来上がった写真を見て自分では、まあまあの出来だと思いましので、
仲間に感想を聞いてみました。

すると返ってきた答えは

「おまえも老けたなあ!」

だと。