第16回


第 1 6 回 
                          須 永  慶

     《 公 開 録 音 ラ ジ オ ド ラ マ 》


 僕が子供の頃は良くラジオドラマを聞いたものですが、テレビドラマの隆盛と共に、
残念ながらラジオドラマは少しずつ廃れて行ってしまいました。

今ではわずかNHKやTSBでやっているぐらいで探すのが困難な状況です。
でもラジオドラマを聞いて育ったものとして
「ラジオドラマは素晴らしいも のである」
ということは断言できます。

ラジオドラマ全盛当時、「君の名は」のような人気がある番組の放送時間になると
銭湯がガラガラに空いてしまうぐらいでしたから・・・・。
この辺の話は皆さんもご存じの通り?ですよね。


 さて、前置きはこのぐらいにして、
時々僕はあるプロダクションの俳優養成機関へ講師として顔を出しているんですが、
その中に声優を目指す人達のクラスがあるんですね。
この声優クラス最近非常に人気があって、何クラスもあるんです。
でもどういう訳か女性が非常に多いんですが何故でしょうねぇ。

この養成所では
声優に限らず俳優クラスも授業の一環としてラジオドラマを勉強いたします。
そして幸いなことにこのプロダクションはラジオの深夜番組を制作しているんですよ。
つまり会社としてプロダクションを運営し、
又同時にラジオ深夜番組も企画制作しているわけです。
ですからこの養成所では、
ラジオドラマを授業の一環として勉強してもただ単に授業として終わらせず、
優秀な生徒さんには一般社会へ発表の場を与えることが出来るんです。
ここが非常に重要なことで、
俳優養成機関と番組制作現場が近いと優秀な生徒さんには
セミプロとして発表の場を与えることが出来るんですね。

具体的には二ヶ月ないし三ヶ月の間或るラジオドラマを授業として稽古し、
最終的にオーディションと言う形を通して出演俳優とキャスティングを決め、
「公開ラジオドラマ・コンクール」のコーナーがあるので、
そこへの出演・放送となるわけです。
ここでいう『公開』というのは、
そのラジオ深夜放送のファンの人を中心に会場に集まって貰い
その人達の前で四本のラジオドラマを収録する。
それを放送し、視聴者による投票によって優劣を競うというものです。

説明が長くなりましたが、
要するに僕はここで、実際にラジオドラマを教材にしてレッスンを二ヶ月ぐらいし、
最終的にオーディションによって
出演者をセレクトしなくてはならない立場にいる物の一人、
ということなんです。

毎回この「選ぶ」という作業が実に難しいんですよ。
又ラジオドラマの演出もしなければならないし、もう既にそれ等は始まっているんです。


実感としてやはりラジオは昔そうしたように、わくわくしながら聞くのが一番ですね。