第  6  回

                                須 永  慶

何は無くても「打ち上げ」だけは!




 実は今日十二月十六日(土曜日)、

日本テレビ放送「新宿暴走救急隊」の慰労会が、

新宿東京大飯店八階広間Cで十八時半から行われます。


番組のタイトルにこだわって、題して『新宿救急慰労会』。


勿論案内状が送られてきた時点で私は出席することに決めていました。

今、十三時過ぎですからこの原稿も程々にボチボチ雑用を片付けて出掛けようかと思っています。

~時間経過~さあ、会場に到着致しました。

私の場合仕事のスケジュール以外で開催時刻に遅れることは有りません。

仕事の都合なのかどうか遅れてくる人も結構いますが、

私は兎に角定刻に入って先ずプロデューサー、ディレクターその他関係者に一通り挨拶を済ませてしまう・

・・まあ、半分自己アピールを兼ねた仕事の延長みたいな受け止め方をしていますし、

例え打ち上げでも遅刻が許されるほどの役者とも思っていませんから当然ですけどね。

大抵どの場合もそうなんですが、レギュラー、時には準レギュラーの俳優はお疲れさまの気持ちを込めて、

「賞品」を持参してきます。主役ともなれば可成りの物を持ってきます。

バブル期には世界一周ペア旅行券プラスお小遣いとか、

何十万円もする外国有名ブランド時計ペアセットとかダイヤのリングとか

「ウオーッ!」

と思わず歓声が上がる賞品を用意してきたものです。


現金数十万円が何回かに分かれて

「じゃんけん勝ち抜き争奪戦」

に掛けられたりとか有ったように記憶しています。

又スポンサーからも、テレビとかコンピューターとかMDラジカセとか

皆が喜びそうな自社製品が持ち込まれますね。


番組製作会社やプロデューサー、ディレクターは勿論のこと美術、撮影、音響等の

それぞれの責任者から出演関係のプロダクションに至るまで、兎に角「賞品」を用意します。

特に高視聴率を取り、

今をときめくスターが沢山出演している番組の場合しばしば賞品が山と積まれます。

少し前までは、現金をご祝儀として出したものですが、

現在は色々事情があってそういうことはしなくなったようですよ。



  さて、記帳と同時に小さな色紙に書かれた番号札を貰います。

この番号が後でくじ引きの時決め手になるので決して捨てたり紛失してはいけません。

とてもとても大事なものなのです。

今回もせっかくロンドン旅行のペアご招待券が当たったのに

その番号札を提示出来ず無駄にした人がいました。

何故かというと私が想像するに、局関係者から始まる一連の挨拶があり、

和やかにNG集を見たりしながら飲んで食べまくり宴もたけなわになって、

やっと『くじ引き大会』が始まるのですっかり酔っぱらってしまい紛失する人がいるんですよ。

反対に余りにも大切にしまい込んで出せなかった人も居ました。

ほんと、笑っちゃいますよね。イヤ、泣けちゃうかな。


でも私の場合は・・・このことに命を懸けていますから心配要りません!

当たり外れはありますけどね。
 「定刻になってもなかなか人が集まらないねー」と山下真司さんと何となく話していると

ロンドンブーツの田村亮君と淳君のご両名そして上原多香子ちゃんも現れ、ちょい遅れで始まりました。


「新宿暴走救急隊」の場合、

色々な意味で「ささやかに行きたい」「派手な打ち上げはおこがましい」

というプロデューサーの意向と演出意図もあり、

(でっかい)打ち上げ(花火のように)ではなく冒頭の「慰労会」ということになったのです。

場所もまあ、それ程派手々々では無くとても身近な雰囲気でした。


しかし実際に用意されている賞品は、

グアム旅行とかロンドン旅行とか最新の電気製品とか可成り素晴らしい物が沢山用意されていました。

スタッフの頑張りのお陰でしょう。


実は私は、【鈴木杏樹賞】が当たりました。

バカラの素晴らしいシャンパングラスのペアセットとシャンパンです。

皆にとても良く似合うとお褒めの言葉を頂きました。

だから賞品を高々と持ち上げて久しぶりに当たった感触を楽しんでしまいました。

なにしろTBSテレビ東芝日曜劇場「オヤジい。」の打ち上げ(次回で書きます。)では

カスリもしなかったんですから・・・。



では、私は今回栄えある「須永慶賞」として何を用意して行ったのでしょうか。