第 24 回 須 永 慶
大胆な提案
良く言われることですが、テレビは正に時代と共に展開して行きますね。
今回の「ショムニ」FINALを通してそのことが俳優として、実感出来ました。
その時代の動きとリンクしているということです。
第一話撮影時には、既に可成りの情報が僕の所に様々な形で入って来てはいたのですが、
放送の前に余り喋ってしまうのも、興がそがれてしまうと思いましたので
詳しく喋ることは出来ませんでした。
しかし今は、ドラマの内容そのものが、既に全てを説明しています。
そうなんです。
物語の中心となっていた「ショムニ」の面々が働いている会社「満帆商事」そのものが、
アメリカの巨大資本の会社に吸収合併されてしまい、
社長以下私たち経営陣はあえなく総辞職しなくてはならなくなったのです。
社名は「満帆商事」から「ジョージ&スミス満帆カンパニー」と変更されました。
こういう話は今の日本では、悲しいことに日常茶飯事となってしまい、別に珍しいことではありません。
ドラマの世界でも当然そういう事は反映してくる話だと思います。
それが偶々自分がずっと関わってきた番組の中で起こった。
一方、
制作の面から考えた場合、話をスリリングに面白く展開させて行くには
それなりの出来事を思い切ってドラマの中で起こさないと面白くなりませんし、
第一リアリティーが無くなってしまいます。
これだけ何話も話を作っていくと
ドラマの構成としての展開そのものが非常に難しくなって来るのも確かなことです。
登場人物は何時も同じですし、
一つの会社内の話で進めていかなければならず、
状況としてはとてもきついものだったと推察出来ます。
脚本家に関しても当初からずっと中心となって続けてこられた方も、
色々な理由から、この番組からは離れてしまい、今は残っていません。
プロデューサーも、局のプロデューサーやアシスタント迄ザッと見てみましたら、
僕の知る限り
今残っているのは、この番組を実際に始められた人、たった一人の方だけでした。
他の方々は、結果として現在、直接の関係者としては登場していません。
しかし出演者としてはこのまま「さよなら」をしてしまうのはいささか残念ですので、
復帰についての話をプロデューサーやディレクターの人達と致しました。
多分その結果だと思うんですが、
何時か何らかの形で出てくるように致しましょう・・・
と言うことになってはいるんです。
でもドラマは生き物・・・今後どうなるのか、本当のところは分かりません。
オープニングのタイトルバックに、
僕たち三人が食堂でショボーンと食事をしているところが写るんですが、
皆さん気がつきましたか・・・。
そしてその食事の内容なんですが・・・他の社員は豪華な物を食べているんですが、
僕たち三人はリストラを反映して、とても「粗食」になっているんですよ実は。
おかずはタクアンだけなんです、それとお味噌汁・・・
それが我々経営陣の食事というわけ・・・
可笑しいでしょ。
その辺見て欲しいんですが、はっきり写ってるかなあ・・・。
それともう一つ・・・。
このオープニングのタイトルバック、
実はもう一つ別パターンを撮ったんです。
それは僕たちが居ないパターンなんですよね・・・。
この返「微妙ォ~!」と叫んでみたい。
ですから先程も言いました様に、今後についてははっきり、何時、どういう形で・・・
ということは分からないんですよ、残念なことに。
社長だけは辞職した後、或ることをしながら生き抜いているらしいんですが、
専務、常務は未だ決まっていません。
今後どうやって生き抜いていくか・・・。
僕は二つの方法を考えました。
一つは将来「電通」のような、世界を股に掛けた広告宣伝会社を狙って、
サンドイッチマンをやりながら生活して行くこと・・・。
もう一つは、やはり世界を股に掛けた「漁業会社」を狙って、
海岸沿いに居着いて流浪しながら、
落ちている魚を見付けて拾って歩く・・・
そして、もし活きの良い魚が見つかったら、それを魚屋に持っていって売る・・・。
このようにして元の3人の経営陣がそれぞれの生き方で成功したら、
一致団結して「満帆商事」を買い戻す・・・。
これが復帰への筋書きなんですが、
皆さん、どう思いますか・・・?
ん?・・・。