第 十八 回      須 永  慶

新番組収録開始前に、全てに先駆けて行われる 「本読み顔合わせ」って皆さん、
聞いたことありますか?

ご存じ無い方のために、例としてスマップの稲垣吾郎さん主演の
東芝日曜劇場「ヨイショの男」で説明してみようと思います。
実は第一話に出たものですから・・・。

去る三月十五日、通称ビッグハットTBS赤坂本社で「本読み顔合わせ」が行われました。
別に進行表というものはありませんが、あるとすると次のようになるのかな?
お昼の十二時に十一階のリハーサル室入り、開始でした。
毎回何処の局、制作会社でもそうだろうと思いますが、 先ず関係者全員の紹介があります。

ですからその部屋には、出演者は勿論のこと、
プロデューサー、 ディレクター、その助手の人達、企画・編成、作家、作曲家・・・
というか主題歌を含めた音楽担当者・関係者(殆ど来ません)、
カメラ、照明、音声、衣裳やメイク、建て込みなどの美術関係の人 達、
出演者のプロダクション関係者とマネージャー・・・
といった 人達が兎に角一堂に集まり顔を揃えるわけです。
相当な人数になり ますよね。

文字通り「顔合わせ」です。

でそれから、そこにいる人達全員が部署別に、一人一人紹介されるんです。
司会というか、進行係は・・・大体プロデューサー補とか演出助手 の人が担当するようですが、
その紹介の時、一人の漏れもあっては なりません。
名前も間違えてはなりませんよね当然。
ですから結構 この「進行」は大変だと思いますよ。

この日は上手く出来たんじゃないでしょうか!

この「紹介」の時、僕は何時も「面白いなァァ」
・・・と思うんですが・・・どういう訳か一人一人の紹介の度に、
ちょこっとした拍 手を全員でしながら、その紹介は進んで行くんですよね。
百人居たら百回という具合に。
他の一般的なケースを知らないものですから余計そう感じるのかも 知れませんが。

何処の社会でもそうなのかなあ・・・・。

紹介の順番はその時々によって色々ですが、先ず挨拶がありますよね一番偉い人の。

大体企画編成の担当責任者が口火を切るんじゃな いでしょうか・・・局の・・・。
企画編成が居なければ、 やはり局のプロデューサーの挨拶と「番組」についての話があります。
結構「新番組」に対しての熱い思い入れが語られたりする時もあるんですよね。
この日も勿論、実体験を通じての思いが述べられたりしましたけど・・・。
挨拶の後はスタッフ全員、そして出演者全員の紹介が役名と共に紹介され、
簡単な一言があったり、笑いが起こったりしてなごやかに 進んでいきます。
一通り終わると又制作サイド、特に演出家や作家 の話とかが締めの感じであって
「顔合わせ」は終了です。

この時の話が番組全体、それぞれの役、人間関係、置かれた状況と いったことについての理解を深めたり、
「成功」に向けての結束や 再確認の自然な雰囲気作りになるんですね。
この「本読み顔合わせ」を挟んで、時々番宣(番組宣伝)のカメラ が回っていたりして、
芸能ニュースなんかで当日流したりします。
さて、ここで十分ぐらいの休憩が取られます。
そしていよいよ、ト書きも全て読みながらの「本読み」に入ります。
このト書きを読んだりするのは殆どの場合、先ほど進行役だっ た、
助監さんとかプロデューサー補の人です。

最初から本意気で「読み合わせ」に入る俳優さん、
軽くならしてい る感じのベテラン俳優さん・・・ま色々ですが、
面白かったりすると、 勿論笑いが起きたり、次第に熱のこもった雰囲気になっていったり・・・。
終わって演出からの意見や速攻で駄目出しが出たりします。
今回は題名からも分かるように明るい、面白い、
見ていて笑える構 成になって居るんじゃないかと思いますが、
それだけに、 とても演技的には難しいものがありますね!
そのせいか、実はこの日の「本読み顔合わせ」の数日前に衣裳合わ せがあったんですが、
その「衣裳合わせ」後に、本格的な本読みと リハーサルが、既に行われたんですよね。
これは特例でしょう。

このことからしても、今回稲垣さんのやられる役は、台詞の量も多いし、 結構難しいんですよねえ。


何となく、頭に浮かぶままを徒然に書いてみましたが、
こういう 作業を通して最終的に、収録・編集・放送・・・となるわけです。
もう放送は始まっていますが、みなさん見てますか?

未だの方は是非次回からどうぞ!

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