第 27 回     須 永  慶
「恋人はスナイパー2」の撮影

 撮影前夜寝たのが朝の三時頃で、
起きたのがその二~三時間後でしたから超睡眠不足でした。
ですから撮影帰りは眠くて、車を運転しながら、2~3度、コクッとしてしまいました・・・
危ない、危ない。 

この日(十月十日)は現場に遅れないように入らなきゃと思い、
眠い目をこすって朝早ぁ~く家を出たんですが、
それが早過ぎちゃって予定より可成り早く着いてしまったんですよね実は。
六時半入りが六時ちょっと前には着いてしまいました。

少しして水野美紀さんが
「お早う!」
って元気に入ってらっしゃいました。

ご存じのように女性は男性に比べてお化粧などの関係で普通早めに入ります。
そして小林すすむさん、田辺誠一さんという具合に役者が揃いました。

 この日の撮影現場は周りに工場が沢山あるんですが、
待機場所として借りてる場所はパーティーとかが出来るような構造になっていて、
ロケ待機基地としては最適でしたね広くて、駐車場も付いてて。 

撮影内容で台本と大きく違ってた所と言えば、
水野さんの「きなこ」と田辺さんの「船木」、
小林さんの「清水」が倉庫前にやって来るシーン、
台本では当たり前に「黒塗りのバン」でトコトコとやって来ることになっていたんですが、
今日はそれがどういう訳か、
「大型のモーターボート」に乗って、
「グォォ~ンン!」って風に髪の毛をたなびかせながら
颯爽とやって来る事になってるんですよ、格好良く・・・。
で僕のやる「黒谷」刑事一人だけが
陸(おか)で皆を待ってることになっていたりして・・・ククッ(泣)・・・。
 演出家の六車俊治さんが待ち時間で水野美紀さんと田辺誠一さんに
「皆さんは晴れ男と晴れ女ですか?」って聞くくらい
この日は晴れて最高の撮影日和だったんですが、
外撮りはほんの少しだけで、後は倉庫内の撮影が主だったんですよね、残念ながら。

 天気に関して言えば、この間は、台風の風雨にたたられて
さんざんな目に会わされていますから、僕は密かに、
ホントの意味での「晴れ人間」は居ないと思ってたんですけどね、ここだけの話・・・。
 さてこの日の撮影は、中国人のアジトを遂に見付けて急襲するという場面なんですが、
待ち時間の間、しばし中国語の話になりました。

 僕の中国語、実は今年大学三年になる下の娘から沢山教えてもらった中でやっと覚えたのが二つあるんです。
「美味しい」と「図書館の裏」というものなんですが。

で「図書館の裏」を下手な中国語で言ってた時、
水野さんに「それ、これから日常で使う場面って無いんじゃない?」って言われてしまいました。
そうなんですよ、いくら中国語で
「トゥショクワンホビエン」(図書館の裏)を知ってても、
ほぼ永久に使わないですよね、
実は僕もそう思っていたんですけど・・・
どういう訳か未だしっかり覚えてたんですよね、「図書館の裏」っていう中国語・・・
トゥショクワンホビエン・・・
ウ~ン・・・意味無いよなァァ、やっぱり。
水野さんが「美味しくないってどういうの?」って聞くので
「知らない」と言うと、
ウッチャンの話がここで出て来たんです。

 水野さんとウッチャンの間で撮影の合間に矢張り中国語の話になったらしく、
ウッチャンは最近「中国」づいているとかで、香港に良く行かれるらしいんですね、
そして可成り中国語をマスターしたらしんですよ。

で、
同じ質問を水野さんがウッチャンにしたらしいんです。
美味しいは中国語で「ハウチー」って言うんですけど、
その時のウッチャンの答えは何と・・・「Not、ハウチー」英語と中国語のミックスだったということです。

そこにいた人はみんな大笑いしてしまいました。

 今日はお互い慣れてきたのか、撮影の合間の会話から意外な発見がありました。
 田辺誠一さんは実は物凄く映画作りに燃えていて、
ステディカムのカメラセットをわざわざアメリカから通販で取り寄せて持っていたり、
クレーンやレールも撮影機材として家に置いてあるということでした。

映画祭に出品してその事についての本も出されているということなんですが
皆さんご存じでしたか?
勿論、編集用のパソコンソフトもお持ちなんですよ・・・

僕はそれ、全然知らなかったから本当に驚きました。

 小林すすむさんは最近土地を調布に買われたので、
その上に建てる家の話をしたり、
井田國彦さんも、実はパソコンやソフト、難しい設定についてももうプロ級で、
お使いのマッキントッシュについての話や
その他パソコンに関する色々な話しを聞かせて貰いました。

 この「恋人はスナイパー2」
今年のクリスマス頃テレビ朝日系列で放送される予定ということなんですが、
撮影は十一月終わり頃まで続きます。

 さてどういう物に仕上がるか、

皆さんも気が付いたら是非ご覧下さい!