第7回


第  7  回

                                     須 永  慶


     「打ち上げ」は一つのドラマだ!



 実は私は【須永慶賞】として「慰労会」という漢字にぴったりの、

オムロンの肩叩き器というか按摩マッサージ器のような物を用意したのです。

ですからバカラのシャンパンのペアグラスに比べて、

なんだか海老で鯛を釣ったような気がしないではないのですが、

ま、役の比重とか出番を考えれば丁度良いのではないかと思っています、

が、

皆さんは正直どの様に思いますか?


 しかし今回一番嬉しかったのは、

これが大変お世話になったプロデューサーの手に渡ることになったことです。


本当に嬉しかった。


この肩叩き器というか按摩マッサージ器のような物を兎に角大切に長く使って欲しいし、

溜まった疲れをこれで取り去って次の仕事にしっかり役立てて頂きたいと願っています。


兎に角こうして「打ち上げ」というか「慰労会」は無事終わりました。

帰り掛けアシスタントの女性プロデューサーから「 二次会への出席をどうぞ」といわれましたが、

もう疲れを感じていたこともありまして寒空の中大急ぎで帰って参りました。



実は私はここ何年も、二次会には殆ど出たことはありません。



でも本当に俳優とスタッフが仲良く打ち解けるのは「二次会」「三次会」なんだろうなと思います。

しかし終電には間違いなく乗れませんし、昔と違って特に寒いこの冬の季節、

朝迄のつき合いはマッコトきつい!



 新宿暴走救急隊の「新宿暴走慰労会」に先立ち、

十一月三十日、十九時三十分(十九時開場)からTBS東芝日曜劇場「オヤジい。」

の打ち上げが既に行われていたのです。

勿論私が万障繰り合わせて出席したのは当然で有ります!


場所は何と西新宿にある超高層ビル群の一つ、

パークハイアット東京の三十九階にあるヴェネシアンルームという所で行われました。

兎に角夜景が素晴らしい。

東京も高いところから夜に限って見れば本当に綺麗です。

厚い絨毯に大きな磨き上げられたガラス窓・・・。

ゆっくり足を踏みしめて歩くのも実に楽しかった。

恥ずかしながら自費とかでこういう所には滅多に、というか絶対に来ないので、

部屋に足を一歩踏み入れるなり感動したという次第です。



番組の「打ち上げ」は本当に素晴らしい。



昔、この打ち上げの予期せぬ感動のために仕事をしているんだと

冗談交じりに言っていたスタッフがいましたが、本当にその通りだと思う位でした。


 プロデューサーによると三話が放送され視聴率が取れると確信した時点で

直ぐにここの予約を取ろうとしたそうですが、年内は全て一杯という状態だったということです。

ですから後は事情を話してキャンセル待ちを狙うしか無かったとのこと。

それ程こういう場所は一年中特にクリスマスとか年末に掛けて人気が高いと言うことなのでしょう。

実はこの番組、視聴率がどんどん上がり、ついには一位か二位をずーとキープしていたのです。

私が出たドラマの中でも久々の大ヒット、とても面白かったし演り甲斐も有りました。

後半、ちょっと神崎小百合先生に対して意地悪な教頭になってきましたが・・・。


「成る程なー」と思ったのは、

未だ始まって間がない夏の時点で、

最終話に掛けてこのドラマは数字を取ると直感されたプロデューサーのプロ判断です。

そして矢張り視聴率によって「打ち上げ」の規模というか、全てが決まるらしいと言うことなのです。

私もこの話を直に聞いた時「へー・・・!」と思いました。


 主演の田村正和さんを初め黒木瞳さん、水野美紀さん、広末涼子さん、岡田准一君、石田ゆり子さん、

顔の白くなった矢沢心さん等々殆ど共演したことのある人達でしたので

お互いにお疲れの挨拶を終え

おいしい料理を沢山食べて「打ち上げ」を満喫したことは言うまでもありません。

出席者も百人は優に超えていました。


全体の雰囲気も余裕というか、ある種の自信に裏打ちされた大人の落ち着きを感じるものでした。

ただ、残念なことにこの日はクジ運がなく何も当たらなかったと言うことです。

が、このことは余りがっかりしませんでした。


「新宿暴走救急隊」もそうですが、

矢張りこういう面白い安心して見られる良質の番組に最後の「打ち上げ」迄つきあえるというのは

実に役者冥利に尽きることだと思います。

これを糧に又次も良い形で仕事に繋がって欲しいものです。


因みにこの日私が用意致しました【須永慶賞】は、ちょっと奮発してデジタルカメラにしました。

当たったのは、衣装担当の女性で「これが欲しかったの!」

と言ってとても喜んで貰えたのでこちらまで幸せな気持ちに成れました。


 皆さん、私が「打ち上げ」好き人間だっていう理由、お解り頂けたでしょうか。